小林繁投手
2010/01/23
惜しまれる男がまたひとり、57歳という若さで逝きました。
私と同年代の野球ファンなら誰しもが知っているあの「空白の一日」。
あの事件以来スポーツに対する爽やかな感覚が薄れ、政治の世界を見ているようなもやもや感がずっと付き纏っていました。
それが数年前に当事者ふたりが対談したTVCMで掘り起こされ、今またクローズアップされることになりました。
第三者にとってさえやりきれない理不尽な出来事は、当事者の小林繁さんにとっては生涯の傷となったでしょう。
彼はしかし、愚痴も怒りも最後まで抱え込んだまま、表に出すことなく去っていきました。
彼が唯一意地とプライドを示すことができたマウンド。そこでの22勝こそが彼の胸の内を語っていたのでしょう。
私には真似ることのできない姿勢を貫き通した好漢。
ご冥福を心よりお祈りしたいと思います。