天候による中止の記録がかつてなかった祇園祭の山鉾巡行が、今年はついに台風直撃で中止になるかと思われましたが、当日の朝4時時点警報が出ていなかったため決行が決まりました。
本体にビニールシートを被せたり、屋根に昇る人に命綱をつけるなど最大限の注意を払って、大雨警報の出る中、前祭（さきのまつり）を無事に終えました。
驚異の歴史を誇る祭りは、多くの人に支えられ、プレッシャーのかかるなかで脈々と続いてきたのです。
中心になって動いている人たちは、今回ばかりは眠れぬ夜を過ごしたことでしょう。
神事に対する日本人の深く熱い思いを感じ入るとともに、学生時代に4年間曳き手を経験した身として、この悪天候のなかで鉾を曳く辛さに労い気持ちと有難さを覚えました。