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相続放棄後の落とし穴?借金・管理義務・NG行動

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相続放棄後の落とし穴?借金・管理義務・NG行動

相続放棄後の落とし穴?借金・管理義務・NG行動

2025/03/26

「相続放棄を検討しているけれど、本当に手続きがうまく進むのか不安…」そう感じていませんか?  例えば、親が残した財産に借金が含まれていた場合、それを相続するのは避けたいものです。しかし、相続放棄には「3か月の期限」があり、必要な手続きを正しく進めないと、意図せず借金を引き継いでしまうリスクもあります。 

さらに、相続放棄をした後も「管理義務」や「他の相続人との関係」など、知らなかった問題が発生することも少なくありません。「相続放棄をしたのに、なぜ管理責任があるの?」「他の家族が放棄を認めない場合はどうなる?」こうした疑問を抱えている方も多いでしょう。 

本記事では、相続放棄の手続きだけでなく、その後に起こりうる影響やリスクについて詳しく解説します。

目次

    ■相続放棄とは?基本知識とよくある誤解

    相続放棄とは、家庭裁判所で正式な手続きを行い、被相続人の財産や負債を一切引き継がない選択をすることを指します。これは、相続の一形態であり、財産や債務をそのまま引き継ぐ「単純承認」や、プラスの財産の範囲内で負債を引き受ける「限定承認」とは異なります。

    相続放棄を行うことで、被相続人が残した負債や借金を背負うことなく、自身の経済的な負担を回避することが可能になります。しかし、一度放棄した場合は、後からやり直すことは原則として認められません。そのため、相続放棄を検討する際は、慎重に判断することが求められます。

    相続放棄をするためには、法的な手続きを踏む必要があります。単に「私は相続をしません」と親族に伝えるだけでは正式な放棄にはなりません。裁判所へ相続放棄の申述書を提出し、受理されることが必要となります。この申述には期限があり、相続の開始を知った日から3か月以内に手続きを完了させなければなりません。

    相続放棄の手続きをする理由は様々ですが、特に多いのが、相続財産のほとんどが借金や負債であるケースです。この場合、相続を放棄することで、借金の支払い義務を免れることができます。ただし、相続放棄をしたとしても、次の順位の相続人へと権利と義務が移るため、相続の連鎖を考慮し、家族や親族と事前に話し合うことが大切です。

    また、相続放棄をすることで相続財産の管理義務が発生する場合があります。例えば、放棄をした相続人であっても、次の相続人が決定するまでの間、財産を適切に管理しなければならないケースもあります。そのため、放棄の際には、財産管理義務が発生する可能性についても理解しておく必要があります。

    相続放棄は、相続人が財産よりも負債の方が多いと判断した場合や、相続の手続きや責任を負いたくないと考えた場合に選択されることが多いです。以下のようなケースでは、相続放棄を検討する必要があります。

    ●被相続人が多額の借金を抱えていた場合

     被相続人が生前に金融機関や消費者金融から多額の借入れをしていた場合、相続人はその借金を引き継ぐことになります。相続放棄をすれば、これらの借金の返済義務から解放されます。

    ●相続財産の管理が難しい場合

     被相続人が所有していた不動産が遠方にある場合や、利用価値が低く維持費がかかる場合、相続をすることで負担が生じることがあります。このような場合、相続放棄を選択することで、財産管理の負担を避けることが可能になります。
     

    ●家族間でのトラブルを避けたい場合

     相続を巡るトラブルは珍しくありません。特に相続財産の分配を巡って家族や親族間で争いが発生しそうな場合、相続放棄を選ぶことでトラブルを回避できる可能性があります。
     

    ●相続税や管理費用が高額になる場合

     相続財産が不動産などの場合、維持管理費や相続税の負担が重くなることがあります。相続税を支払う余裕がない場合は、相続放棄を選択することで、負担を回避することができます。
     

    ●相続財産に問題がある場合

     例えば、被相続人が違法な活動に関与していた場合、その財産が没収されたり、法的な問題に発展する可能性があります。こうしたケースでは、相続放棄を選ぶことで、不要なトラブルを避けることができます。

    相続放棄を選択する前に、相続の3つの選択肢を理解することが重要です。それぞれの違いを以下の表にまとめます。

    相続方法
    内容
    メリット
    デメリット
    単純承認
    財産も負債もすべて引き継ぐ
    財産をすべて受け取れる
    負債がある場合、借金も引き継ぐ
    限定承認
    財産の範囲内で負債を支払う
    財産が負債を超えている場合にメリットがある
    手続きが複雑で家庭裁判所の審査が必要
    相続放棄
    財産も負債も一切引き継がない
    負債を引き継がずに済む
    財産を一切相続できない

    限定承認は、相続財産がプラスかマイナスか分からない場合に有効な選択肢です。例えば、相続財産に高額な不動産が含まれるものの、隠れた負債があるかもしれない場合、限定承認を選ぶことで「財産の範囲内でのみ負債を支払う」という条件が適用されます。ただし、この手続きは煩雑であり、家庭裁判所への申立てが必要となるため、注意が必要です。

    一方で、単純承認は最も一般的な相続方法ですが、負債を抱えている場合は慎重に検討しなければなりません。相続放棄を選ぶことで、負債の引き継ぎを回避できますが、財産も受け取れなくなるため、慎重に判断することが求められます。

    相続放棄を選択するかどうかは、以下のチェックポイントを考慮して判断することが重要です。

    ●相続財産と負債のバランスを確認する
     相続財産よりも負債が多い場合、相続放棄を選択するメリットが大きくなります。まずは、財産と負債の詳細を整理し、プラスとマイナスのバランスを確認しましょう。
     

    ●相続放棄の期限を守れるか
     相続放棄の手続きは、相続の開始を知った日から3か月以内に完了させる必要があります。期限を過ぎると、相続放棄が認められなくなるため、早めに手続きを進めることが大切です。
     

    ●他の相続人への影響を考慮する
     自身が相続放棄をすると、次の相続順位にある家族が相続人になります。結果として親族に負担がかかる可能性があるため、事前に話し合いを行うことが重要です。
     

    このように、相続放棄には多くの要素を考慮する必要があります。正しい選択をするためには、法律や手続きに関する知識を深め、専門家と相談しながら進めることが望ましいでしょう。

    相続放棄の一般的な手続きの流れは以下の通りです。

    1.被相続人の死亡を確認
     

     〇まず、相続の発生を確認します。相続は、被相続人(亡くなった人)の死亡と同時に開始します。

     〇被相続人の戸籍謄本を取得し、死亡が公式に記録されていることを確認します。

    2.相続財産の調査
     

     〇財産と負債の状況を確認します。銀行口座や不動産、借金の有無を調査し、相続放棄を選択するかどうかを 検討します。

     〇借金の金額が大きい場合や、相続財産の管理が難しい場合には、相続放棄を選択するメリットが高くなります。

    3.家庭裁判所へ申述
     

     〇相続を放棄する場合、被相続人が最後に住んでいた地域を管轄する家庭裁判所へ「相続放棄の申述書」を提出します。

     〇申述書には、相続放棄を希望する旨と理由を明記し、必要書類を添付する必要があります。

    4.家庭裁判所の審査
     

     〇裁判所は、申述書の内容を審査し、適切な手続きが取られているかを確認します。

     〇追加の書類を求められることもあるため、裁判所からの連絡には迅速に対応することが大切です。

    5.相続放棄の受理通知
     

     〇審査が完了すると、相続放棄が正式に認められます。

     〇受理通知が届いた時点で、相続放棄は確定し、相続人の地位を失います。

    相続放棄が受理されると、相続財産も負債も一切引き継がなくなります。ただし、相続放棄したことで、次順位の相続人に相続権が移るため、親族間での事前の相談が重要です。

    相続放棄の手続きを行うには、家庭裁判所へ提出する書類を正しく準備する必要があります。必要書類を適切に揃えることで、手続きがスムーズに進み、無駄な時間や手間を省くことができます。

    以下の表に、相続放棄に必要な主な書類と、その入手先をまとめました。

    必要書類
    内容
    入手方法
    相続放棄申述書
    家庭裁判所に提出する正式な書類。
    裁判所の公式サイトまたは窓口で取得可能。
    被相続人の戸籍謄本
    被相続人の出生から死亡までの記録。
    被相続人の本籍地の市区町村役場で取得。
    申述人(相続放棄者)の戸籍謄本
    申述人(相続人)の身分証明。
    申述人の本籍地の市区町村役場で取得。
    被相続人の住民票除票または戸籍の附票
    最後の住所を証明するための書類。
    被相続人の住んでいた自治体の役場で取得。
    印鑑証明書
    申述人の本人確認のための書類。
    申述人の住民票がある自治体の役場で取得。

    書類のポイント

     ●被相続人の戸籍謄本は出生から死亡までの一連の記録が必要なため、複数の役場で取得しなければならない場合があります。

     ●書類の取り寄せには時間がかかることもあるため、相続放棄の期限(3か月以内)を考慮し、早めに準備を進めることが大切です。

    相続放棄をするためには、家庭裁判所へ申請する期限が決められています。基本的に、相続開始を知った日から3か月以内に手続きを完了する必要があります。

    相続放棄の期限を過ぎるとどうなるのか?

     ●3か月以内に相続放棄をしなかった場合、単純承認とみなされ、財産も負債も相続することになります。

     ●特例として、相続財産の存在を後から知った場合には、裁判所の判断によって期限延長が認められることがあります。

    注意すべきポイント

     ●相続を知った日が起点となるため、遠方に住んでいて被相続人の死亡を後から知った場合は、証明することで期限を延長できる可能性があります。

     ●裁判所の審査を受けるため、書類の不備がないよう慎重に準備することが求められます。

    ■相続放棄が認められないケースとその対処法

    相続放棄は法的な手続きを踏むことで可能ですが、特定の条件を満たしていない場合には認められないことがあります。例えば、相続財産の一部をすでに処分してしまった場合は、相続を承認したとみなされる可能性があります。相続開始から一定期間を超えてしまうと、手続きが認められなくなるため注意が必要です。

    相続放棄ができない理由の一つに、熟慮期間の経過があります。相続人が相続の開始を知ってから三か月以内に手続きをしなければ、単純承認したとみなされるため、放棄が認められなくなります。この期間は法律で定められており、家庭裁判所への申し立てを忘れた場合には延長も難しくなります。

    相続人全員が放棄するケースでは、最終的に財産の管理者が必要となるため、裁判所の判断によって放棄が認められない場合があります。このような状況では、家庭裁判所が相続財産管理人を選定し、適切な手続きを進めることになります。したがって、相続放棄を検討している場合は、手続きの流れや法的要件を十分に理解し、適切な期間内に行動することが重要です。

    相続放棄の手続きを進める際には、注意すべき点がいくつかあります。まず、書類の記入ミスや提出漏れがある場合、申請が却下されることがあります。家庭裁判所への提出書類には、正確な情報を記載する必要があり、特に被相続人と相続人の関係を証明する戸籍謄本などの添付が求められます。

    裁判所での審査中に不備が見つかると、相続放棄が認められず、相続人としての権利義務を負うことになります。特に、財産や負債の一部を使用してしまった場合には、単純承認とみなされ、放棄が無効になる可能性が高くなります。例えば、亡くなった親の銀行口座から生活費を引き出した場合、それは相続財産の使用と判断され、相続放棄が認められなくなる可能性があります。

    相続放棄の手続きが完了する前に、相続財産を売却したり譲渡したりすると、法的に相続を承認したとみなされることがあります。このため、相続放棄を希望する場合は、相続財産に一切手をつけず、速やかに家庭裁判所へ申し立てを行うことが重要です。もし不安がある場合は、法律の専門家に相談し、適切な手続きを確認することが望ましいです。

    相続放棄が認められなかった場合でも、他の手段を検討することが可能です。その一つが限定承認という制度です。限定承認とは、相続した財産の範囲内で負債を引き受ける方法で、借金を全額負担するリスクを軽減できます。例えば、相続財産に不動産が含まれているが負債もある場合、限定承認を行うことで、負債を財産の範囲内に抑えることができます。

    もう一つの選択肢として、債務整理を検討することも有効です。相続した借金が過大である場合、弁護士や司法書士を通じて債務整理を行い、負債の減額や分割払いの交渉を進めることができます。特に、相続人自身に収入が少なく支払いが困難な場合、債務整理を活用することで、生活への影響を最小限に抑えることができます。

    相続放棄を検討する段階で、遺産の整理や財産の評価を正確に行うことも重要です。相続財産の詳細を把握せずに放棄を選択すると、後に他の相続人とのトラブルにつながることがあります。そのため、相続放棄を検討する前に、財産と負債のバランスをよく考え、適切な判断を下すことが必要です。

    ■まとめ

    相続放棄は、相続人が財産や負債を一切受け継がないための重要な手続きですが、適切に進めなければ思わぬリスクが発生する可能性があります。特に、放棄を決断する前に「3か月の熟慮期間」を意識し、必要な手続きを正確に行うことが求められます。 

    相続放棄が認められないケースとして、すでに相続財産を処分してしまった場合や、期限を過ぎてしまった場合が挙げられます。また、放棄をした後でも、相続財産の管理義務が発生することがあり、他の相続人が決まるまで責任を持たなければならないこともあります。これを怠ると、法的なトラブルに発展する恐れがあるため注意が必要です。 

    相続放棄を行った場合、借金の行方についても理解しておくべきです。他の相続人が借金を引き継ぐことになり、場合によっては家族間でトラブルが発生することもあります。また、相続人がいない場合は、最終的に国庫に帰属することになりますが、これにも一定の手続きが必要です。 

    相続放棄後にしてはいけない行動として、財産の処分や使用が挙げられます。たとえ意図せずとも、財産を使ってしまうと相続を承認したとみなされる可能性があり、放棄が無効になることもあります。また、債権者への中途半端な対応はさらなる問題を招く原因となるため、適切な対応を心掛けることが大切です。 

    ■よくある質問

    Q. 相続放棄をすると借金は完全になくなりますか? 

    A. 相続放棄をした場合、個人として借金を引き継ぐことはありませんが、他の相続人がいる場合はその方が借金を相続することになります。もし、全員が相続放棄をすると、債権者は「相続財産管理人」を選任して、財産から借金を回収しようとします。ただし、すべての財産が処分されても借金が完済できない場合は、最終的に国庫に帰属するため、残った負債を家族が負担することはありません。 

    Q. 相続放棄の期限が過ぎてしまった場合でも手続きはできますか? 

    A. 原則として相続放棄は「相続開始を知ってから3か月以内」に行う必要がありますが、やむを得ない事情がある場合は、家庭裁判所に申立てをして「期間延長」が認められる可能性があります。また、特定の事情がある場合には、相続放棄が例外的に認められるケースもあるため、期限が過ぎた場合でも専門家へ相談し、適切な対応を検討することが重要です。 

    Q. 相続放棄後に不動産や預貯金の管理をする必要がありますか? 

    A. 相続放棄をすると基本的には財産や負債をすべて放棄することになりますが、「相続人が確定するまでの間」は相続財産の管理義務が発生することがあります。例えば、不動産の場合は、固定資産税や維持管理の責任が一時的に発生する可能性があるため、家庭裁判所の指示を仰ぎながら適切に対応する必要があります。特に、管理を怠ると法的責任が生じることもあるため、相続財産の処分や対応には注意が必要です。

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    代表者
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    設立
    2004年09月
    事業内容
    ファイナンシャル・プランニング業
    セミナー・研修会等の企画、開催
    生命保険・損害保険のコンサルティング
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