平城京遷都1300年
2010/01/09
新年明けましておめでとうございます。
さて、今年は平城京遷都1300年に当たります。
710年に当時の女帝、元明天皇が奈良に都を築き、784年に桓武天皇が京の長岡京に遷すまでの74年間に亘って奈良時代が続きました。
「あをによし 奈良の都は咲く花の にほうがごとく 今 盛りなり」という歌も有名な万葉集や東大寺の大仏建造など、今も数多く残る文化財に平城京の見事さがうかがえます。
阿倍仲麻呂が遣唐使(留学生)として海を渡ったのもこの時代。
科挙の試験に合格し、唐で役人にまでなった非常に優秀な人物でしたが、幾度も帰国を試みるも海難のため果たせず、在唐五十余年の後当地で生涯を終えました。「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」彼の故郷への思いが伝わってくる歌です。
逆に、五度の渡航の失敗を味わいながら、失明してまでも唐から日本に辿り着いたのが、かの偉大な鑑真大和上。
仏教はもちろん建築や彫刻・薬の知識まで我が国に伝えてくれ、唐招提寺建立の後日本に骨を埋めました。
対称のようなふたりの、有名な史実ですね。
他にも、古事記や日本書紀など様々な文化の足跡を残してくれている古都。
この素晴らしい区切りの年をいい機会として、当時の天平文化に少しでも触れることができるよう実際に足を運ぶ、そんなゆとりのある一年にしたいと思っています。