マンデラ元大統領
2010/06/19
毎日ブブゼラの音を聞きながらW杯の結果を見るのが最近の日課ではないでしょうか。
開催国の特徴がブブゼラだけならよいのですが、驚くほどの治安の悪さに、FIFAは何故この国を選んだのかと疑問に思っていました。
普段あまり情報の入ってこない南アですが、様々な国からの移住や植民地化された影響で、多くの内戦や人種対立が生まれてきた国です。
悪名高きアパルトヘイトは、今も多くの後遺症を根強く残しています。
この制度に対して命を懸けて戦ってきたのがかのマンデラ大統領たちでした。
マンデラ氏は、政治犯として27年の長きに亘って刑務所の中で過ごしたという凄絶な経歴の持ち主です。
アパルトヘイト撤廃後も消えない憎しみ合いの心を、彼はスポーツでひとつにしようと考えたのでした。
この国の刑務所内で唯一許されたスポーツ、お金が無くてもできるスポーツ。
大統領の地位を手にした途端自分のためだけに動き始める人間が多い中、彼は私心を捨てて国のために尽くし、今なおそうであるため、白人からも尊敬されているそうです。
今回、開催地が南アになったことの陰には、彼への大きな信頼があったようです。
不幸にして開会式の前日にひ孫さんを亡くしたため、式には出られませんでしたが、彼は開会式が予定通り行われることを切望していたそうです。
彼の偉大さとスポーツの持つ大きな力とを感じながら観戦したいと思っています。