漁業復活
2011/06/11
この震災で、617隻の漁船のうち575隻が流出してしまった岩手県久慈市ですが、函館の漁協から228隻の和船が無償提供されることになりました。
日曜に最初の83隻が到着したニュースに、他人事とは思えない喜びを感じました。
かつて海に携わる仕事をしていた私は、船を失った漁師たちの苦境が痛いほどわかります。
漁師は一匹狼的なところがあり、独自の工夫と腕で生計をたてています。
また一方で仲間同士の結束も固く、漁業以外で生きることなど考えられないでしょう。
漁師に限らず、人は矜持なくしては生きていけません。
例え働いて得た収入より支援で与えられた物資のほうが豊かであっても、人は自分の力で歩む道を選ぶでしょう。
荷揚げされる船を見つめる漁師たちの、その目の輝きを忘れることはできません。
今回の支援は77年前の函館大火に対して、久慈市が義援金を送るなどしたことがきっかけでしたが、全国には海上放置され、検査切れした船がごまんと存在します。
東北各地で活用されることを切に望みます。
以前共に仕事をした仲間たちから、漁船やプレジャーボートをはじめ、その周辺業務に関わっていた業者の多くが、壊滅状態にあると聞いています。
漁師の復活を手始めとして、全体の復興へ、そして願わくば、かつて仕事で訪ねた港が復興を成し遂げた後、再び訪れてみたいと思います。