端午の節句
2016/04/30
子供の頃から何の疑問も抱かず行ってきた年中行事の一つひとつが、いくつもの由来や言い伝えを持っています。
端午の節句の兜と鯉のぼりには、武家が兜や鎧、あるいは家紋を印したのぼりや吹流しを初夏の風に当てて虫干しをしたのに対し、庶民は縁起の良い鯉の吹流しを飾ったのが始まりという説や江戸城で将軍に男の子が生まれると、5月5日にのぼりを立ててお祝いをし、その習慣がその他武家、さらには庶民に広がっていったという説もあります。
中国に伝えられる鯉の滝登りが立身出世を表すことからのぼりに鯉を描き、それが明治には立体的な鯉になったようです。
いずれにせよ、男の子たちが健康に育ち、出世を遂げて欲しいという親の願いを込めた鯉のぼりが、歌にもなっているように家族を象徴するようになり、五月の風にはためく姿は見る者に希望や満ち足りた気持ちをもたらせてくれます。
今、鯉のぼりを飾るどころではない被災地にも、来年には未来への願いと夢を抱いて風に舞うことを祈っています。