檀家寺
2024/05/31
寺は住職のもの。
建物は言うに及ばず、住職の地位は個人のもので世襲制で子孫に引き継がれていく。
漠然とそう思って疑わない人が多いです。
存在する末寺は全て宗教法人でそれぞれに本山が存在し、各寺に住職を派遣します。
寺は本山に賦課金を納めることでその宗教法人を名乗ることができるのです。
謂わばフランチャイズ方式です。
また、寺という建物は檀家の物です。
檀家が出すお金で建てられ、修繕や維持管理を行います。
住職は店子のようにそれを借りて住んでいるわけで、引退する場合は出ていかなくてはなりません。
子孫が跡をとった場合は一緒に住み続けることができますが。
私の檀家寺は、今の住職が記憶しているだけで4代目です。
しかも、全員血縁関係がありません。
私より若い今の住職が健康上の理由でこの度引退するのですが、寺の承継者が見つからず、近隣の寺の住職が兼任してくれることになりました。
建物は無人になります。
寺は事業法人と同じ仕組みだと頭ではわかっていましたが、何世代にもわたって関係を保ってきた寺が、親族外承継を繰り返し、最終的にはM&Aに近い形になるとは思ってもみませんでした。
時代の流れかもしれません。