同志社大学体育会航空部創部75周年
2011/10/29
先週末のこと。
母校体育会航空部の創部75周年式典で、大学OBで当部特別会員にもなっていただいている裏千家15代当主千玄室氏の記念講演を拝聴しました。
わび・さびで体現される静謐を重んじる世界、茶道。
しかし玄室氏は大戦中、親に内緒で学徒出陣し、静けさとは対極にある戦闘機搭乗を希望し海軍に入営しました。
大柄で頭が風防につかえるため戦闘機ではなく偵察機に乗ることになったそうですが、そのペアはなんと、水戸黄門役で名を馳せた西村晃氏でした。
ふたりは大親友となり、どちらか残った方が相手の葬儀委員長を務める約束をし、97年に玄室氏がその役を果たしました。
ふたりは戦争末期特攻隊を志願し、鹿児島の鹿屋基地に転属。特攻作戦の近づいた日には仲間5人で羊羹で茶会を催しました。
そのうちの一人が、「生きて帰ったら京都の千家でお茶を飲ませてくれ」と懇願し、その時初めて死を意識したそうです。
その彼を始めとする仲間達が皆戦死し、玄室氏と西村氏だけが終戦を迎えました。
二人は毎年戦地に赴き、茶をたてて供養していたそうです。
クラブの歴史とともに、個人の歩みひいては日本の歩みについて改めて学んだ一日でした。